冷え症の原因と改善策!解決の思考術3ステップ

「手足が冷たくてツライ!」

「お腹やおしりがいつも冷えている」

「冷え性で顔色が悪く、老けて見える」

冷え症対策を検索すると、数多くの情報や商品について知れる時代になりましたが、それなのに冷え性に悩む人が後を絶たないのはなぜでしょう。実は何かを解決するには、あり余る情報やノウハウより先に思考力が必要です。これは冷え性についても同じことが言えます。

今回は、冷え症の根本原因と改善のための考え方・思考術を3ステップでまとめました!みなさまが冷え性について理解し、改善を体感できるよう丁寧にお話ししていきたいと思います。

さぁ一緒に「冷え」の正体を知り、温かい身体を取り戻しましょう!

 

1.「冷え症」とは何か?

1  「冷え症」とはどういう状態なのか?

「冷え症」とは、一言で説明すると血行不良によって発生する様々な症状が出ている状態のことです。体温計で計っても通常の平熱なのに、なぜかゾクゾクする冷え症。

手足の冷えや肩こり、頭痛のほか、疲労感や倦怠感などの症状をはじめ、肌荒れやくすみなどの美容面や、便秘や下痢などの胃腸に症状が出ることもあります。

実は冷え症の発生は、私たちの体に備わった生命維持システムが働いたためだというのはご存知でしょうか。

寒い環境になると、人体は体温保持のために血管を収縮させ、そのため血流が悪くなります。貴重な熱は体の中心部である内臓の機能維持のために優先的に集約され、そのため体の末端である手足に熱が届かず冷たく感じてしまうのです。人体はこうした戦略をとって体温を維持し生存できるようなしくみが働いています。

因みに、冷え症によく似たものに「低体温症」というのがありますが、これは「冷え症」とは全く別物です。体が冷えて体温が保てず、中心部の体温が35℃以下にまで下がった状態で、大変危険な状態です。すぐにでも体を温めて体温を上げないと、死亡することもあります。

普段から低めの体温であることを「低体温」ということがありますが、それと「低体温症」は大きく意味が異なります。

 

2 何が違うの?「冷え性」と「冷え症」

普段とくに気にすることもなく「ひえしょう」という言葉を使っていますが、実は「冷え性」と「冷え症」の2つあることはご存知ですか?

 

冷え性というのは、体感的に冷えを感じているが、検査や診断では以上が認められない状態のことを指します。いわゆる「未病」という状態ですね。一方、症状の「症」の字を使う冷え症は、検査などで異常が明らかに存在し、治療が必要な状態を指します。つまり、重症度合いで考えると「冷え性<冷え症」となります。

より重篤な状態に進んでしまわないように、できるだけ早く手を打っていきましょう!

2.冷え症になってしまう3つの原因!

冷え症の原因は、ずばり、体内で熱を作り、巡らせる働きのどこかが滞ることにあります。まず、体温がどのように作られているのかをご説明しましょう。

 

 

体内で熱を作ることを「熱産生」と呼び、筋肉を動かすことや代謝による発熱など、いくつかの方法があります。作られた熱は血液等により全身を巡ることで運ばれ、余った熱は呼吸や皮膚から放熱され、調温されています。

この「作る」「巡る」「調整する」のサイクルに不調が起こり、熱循環がうまく回らなかった時に、私達の身体は熱中症や冷え症の状態になります。

では、この「作る」「巡らす」「調整する」サイクルに当てはめながら、冷え症になってしまう3つの原因を解説していきましょう!

 

1.【原因その1】熱を「作る」の不調                           筋肉量の少なさ

冷え症改善のためには、まず筋肉量を増やす必要があります。熱作りの工場である「筋肉」の量が少ないと、作り出せる熱量も減少するためです。

筋肉量が少なくなる要因は、主にこの3つです。

①加 齢 :年齢を重ねると筋肉を作る能力も落ちる

②運動不足:動かずにいると、筋肉が退化し生み出す熱量も少なくなる

③栄養不足:偏食や食事量が少ないと栄養不足で筋肉を作り出すことができない

余談ですが、人間は恒温動物。外気温で体温変動せず、常に一定の体温に保たれています。熱い時は皮膚や呼吸で放熱し、寒い時は生命活動維持のため、重要な臓器が集まる体中心部に熱を集めて、約37℃になるように保っています。

ですが、そのせいで影響を受けるのが体の末端部分です。

末端というと手や足先だけと思いがちですが、内臓を中心とすると、髪や爪、肌や粘膜なども内臓から離れた末端です。私自身も冷え症で苦しんでいる時は、乾燥肌でツヤがなく、老け顔になるなど、美容面でも随分悩まされた経験がありました。

キレイで健康、温かい体でいるためには、末端細部まで栄養や熱が届くよう、筋肉量を増やすことが大切です!

 

2【原因その2】熱の「巡り」の不調                             血行不良

熱を体全体に巡らせるには、「毛細血管」が健康で、血流が良いことが大切です。血管を増やして、血流をスムーズにすると熱循環も良くなります。

なぜ毛細血管?と思う方も多いでしょう。理由は簡単、実は血管の99%は毛細血管だから!毛細血管が体全体の血流を支えているからです。

血液の役割の一つが、体内に酸素と栄養を運ぶこと。熱はその際に同時に届けられています。しかし、この毛細血管は非常に繊細。なんとその細さは髪の毛10分の一と言われるほど極細です。

そのため、ちょっとしたことですぐに劣化してしまいます。

劣化の原因は、不健康な生活習慣、加齢、運動不足や喫煙など多岐に渡ります。壊れた毛細血管では血液を運べず、血流が途絶えることに…。血流のない毛細血管は消滅し、「ゴースト血管」となります。

ゴースト血管が増えると、栄養や酸素も届かず、必然的に熱も届かなくなります。そればかりか、二酸化炭素や老廃物などの回収もできないため、様々な不調や重大な病気が数珠つなぎに発生する危険性を孕んでいます。

しかし、幸いなことに毛細血管はいつでも再生できます。

毛細血管は「血管新生」という、既存の血管から分岐して新しい血管網を作るしくみがあり、生活習慣を整えていけばこのメカニズムが作動しはじめます。

 

3【原因その3】熱の「調整」の不調                            自律神経の乱れ

筋肉で熱を作り、その熱を血流で運ぶ。冷え症の改善には、実はもう一つ必要な要素があります。発熱と放熱のバランスを調整する「自律神経」の整備です。

自律神経とは?

交感神経と副交感神経という2系統の神経からなっており、生命維持に必要な機能を、意思に関係なく働かせて常時コントロールしています。

●自律神経の主な働き

 ・循 環:心拍や血圧の調整

 ・呼 吸:呼吸の速度や深さの制御

 ・消 化:消化液分泌や吸収、排泄の促進

 ・体 温:発汗や血管収縮で体温維持

 ・ホルモン:内分泌系の調整

交感神経と副交感神経

交感神経は機能を促進するアクセル役で、副交感神経はブレーキ役を担っています。どちらかが優位になっている時は、もう一方は抑制されており、このバランスによって体調のコンディションを保っています。

自律神経が乱れると?

自律神経がバランスを崩すと、生命維持のための命令系統が乱れてしまうのですから、普段の生活が送れないほど大変な状態になってしまいます。めまいや肩こり、動悸や下痢などの身体的な症状をはじめ、不安やイライラする、倦怠感、不眠になるなどの精神的な症状まで、多岐にわたる症状が出現するようになります。体調が悪化してストレスを抱え、更に乱れを悪化させてしまうという悪循環に陥ることもあります。そうなると、血流は低下して体温調整の機能もうまく働かなくなります。

 

自律神経の乱れの原因は様々です。

 

もし体が冷えを感じたら、それを見逃したり軽視したりせず、きちんとケアすることが大切です。自律神経を整えるためには、生活習慣の見直しから始めます。

自律神経を整えるためにすること

自律神経を整えるためには、バランスが乱れることになった逆のことを実践します。適度な運動、バランスの良い食事、入浴と睡眠をしっかりすることです。

副交感神経を優位にすると、筋肉による血流への緊張が解けるため、血流が良くなります。そのためできるだけリラックスした時間を増やすと良いでしょう。趣味の時間をもったり音楽に触れたりするのも良いでしょう。

 

3. 冷えた体を温める 冷え症改善の3つのポイント!

1. 原因を理解して、その元になった行動を思い起こす

冷え症の原因は、体温を「作る」「巡る」「調整する」機能の不調にあると解説してきました。思い当たることはありませんか?私自身、運動不足や不規則な生活、食事の偏りなど、冷え症になるべくしてなったと感じています。

例えば:

 ✓ デスクワーク中心で運動不足

 ✓ 残業続きで昼夜逆転の生活

 ✓ 休日は寝貯め

 ✓ コンビニ食や食事を抜く習慣

 ✓ 入浴はせず専らシャワーのみ

これらの行動が原因で、血行不良や自律神経の乱れを招き、冷えや疲れ、肩こりが慢性化していました。しかし、生きている限り改善は可能です!

冷え症を改善するには、まず原因となった行動や状況を振り返ることが大切です。例えば、運動不足で筋肉が減って熱を作れない、熱を運べない、といった問題がないか確認しましょう。原因を特定すれば、やみくもにサプリや靴下だけに頼る誤ったアプローチから脱却し、本質的な改善に近づけます。

次は、原因をもとに具体的な改善ポイントを解説します!

 

2. 冷え症改善の3つのポイント

冷え症改善の3つのポイント!

①  マインドセットをする

②「熱を作る」「熱を巡らせる」を改善!

③「熱を調整する」を改善!

冷え症の改善には、運動して「熱を作る」ことが重要です。これが血流を良くし、毛細血管を活性化させます。しかし、そうありたいと思っても、強い倦怠感で続けられないことがあります。これらは自律神経の不調のせいですが、まじめな人は「できない自分」を責めたり、辛い気持ちになってしまうということがあります。そのために、継続した改善行動がとれなくなってしまっては意味がありません。

そこで大切なのは「マインドセット」です。

無理の無い範囲で取り組むことが、継続の鍵です。

4. 知ると知らないとでは大違い!冷え症改善前のマインドセット!

冷え症の辛さをどうにかしたいと思っても、多くの情報やグッズに圧倒され、行動に移せないことがあります。でも、それは自分のせいではありません!

冷えによる低体温が続くと、思考がぼんやりし、判断力が低下して行動できなくなることがあります。つまり、ろうと思っていても動き出せなかったのは、冷えのせいなのです。

行動できない自分に無力感を感じて落ち込んでしまうことって、よくありますよね。ですが、その状態に気付いて、そうした思考停止モードになっている状態を自らリセットすれば、いつでも再セットアップができます!人生はいつだって「トライ&エラー」の繰り返しです。リセットして何度でも挑戦できるから素晴らしいのです!

ここではそのための強力なマインドセットをまとめます!

冷え症改善のためのマインドセット

1. 内なる熱を育む意識を持とう!
体温が1℃上がると免疫力が大幅に向上します。筋肉を活用し、身体を内側から温めることが健康と美の鍵です。

2. 温活は、美容習慣の肝です!
温かい身体は代謝を促進し、アンチエイジング効果も期待できます。冷え症改善は美容習慣の一環です。

3. 温活は、美容習慣の肝です!
冷え性改善は継続が重要。毎日実践可能な小さな行動を習慣化し、自分を信じて取り組みましょう。

4. 自分を大切に!ストレス解消を何より優先しよう!
ストレスは冷えの原因。リラックスできる方法を見つけ、心と身体の巡りを良くしましょう。

5. 身体を動かす楽しさを見出そう!
身体を動かすことで血行が促進されます。義務感ではなく、心地よさを楽しむ意識が大切です。

6. 体調と心の変化に耳を傾けよう!
自分の冷えの原因や効果的な対策を観察し、自分だけの改善法を見つけましょう。自分なりのブレイクスルーができます!それこそが、あなただけの冷え症改善メソッドになっていきます。

5. まとめ

今回は、冷え症の原因とその改善方法、そして改善アクションを取り続けるために最も大切なマインドセットについてお伝えしました。

マインドセットは、改善策を安定して実施するための前策です。冷え症をそのまま放置しておくと、様々な不調や病気の元になっていきます。そのような状態を抱えたまま生きていくのは辛いものです。そのことに気付いて、一日でも早く、改善アクションを取れるように一歩を踏み出しましょう!

 

【参考】

※ ふくおかクリニック . “冷え性(冷え症)” .  https://www.fukuoka-cl.jp/cold_sensitivity/, 

(参照 2025-01-06).

 医療法人俊恵会大石内科循環器医院 SYMPOMS 症状から探す .“冷え性”.  https://oishi-

 shunkei.com/symptoms/2295/ , (参照 2025-01-06)

 中村幸代 . “研究報告 「冷え症」の概念分析” . 日本看護科学学会誌 . 2009.12.7 . https://www.jstage.jst.go.jp/article/jans/30/1/30_1_1_62/_pdf , (参照 2025-01-06) .

※ “血管の老化にストップをかけよう” .オムロン ヘルスケア .https://www.healthcare.

mron.co.jp/cardiovascular-health/arrhythmia/column/prevent-blood-vessel-aging.html,

(参照 2025-01-06)

大阪大学大学院医学系研究科老年・総合化学 . “診療内容のご紹介(患者さん向け)” . 

https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/geriat/www/jmedg2.html , (参照 2025-01-06) .

※ Phillip Low . “自律神経系の概要” . MSDマニュアル家庭版 . 改定 2021-09 . 

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home,(参照 2025-01-06)

※ “自律神経の乱れから起こる症状とは?原因や対処法と併せて解説” .MYメディカルク

リニックブログ . 2023-12-8 . https://mymc.jp/clinicblog/211103/ ,(参照 2025-01-06)

※ 根来秀行(2022) .『体が変わる!血流のしくみ』 . 成美堂出版

※ “冷え性・低体温を防ぐ 下半身は重ね着、筋力アップを” . 日経Gooday . 2016.1.21 .

https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/15/030900003/011900047/  .(参照 2025-01-06)

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